TouchOSCの初期設定方法
dendoSwitcher で使用しているiPhone/iPad 用のOSCクライアントソフトTouchOSC。このOSCクライアントの最大の特徴はオリジナルのレイアウトを独自にデザインして自由に使用できることで、dendoSwitcherも専用のレイアウトファイルを配布する事で、高機能なOSCリモートを実現しています。
しかし、アプリもサイトも英語版しか無いため「そもそもどうやってレイアウトの同期をするのか、使い方がよくわからない」というご意見を頂きました。
dendoSwitcherのマニュアル(というかただのreadmeファイルですが)でもこの辺は一切触れていませんでしたので、これを機会に書いておこうと思います。
この記事の短縮URL→ http://bit.ly/mRSsqM
TouchOSCはモバイル・デバイス向けのOSC(OpenSound Control)クライアントで、AppleのiOS(注:3.1.3以降)版はiTunes App Store から600円で購入が可能です。Android版もありますが環境が無いため未検証です。話が面倒になるのでここではMac母艦のiOSデバイスの場合についてのみ説明をします。
→ iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応 TouchOSC
iOSデバイスへのインストールは普通に母艦のiTunesから購入して同期させるか、 直接iOSデバイス側のiTunesで購入することで自動的にインストールされます。
しかし、これだけでは意味がありません(Defaultレイアウトは入っていますが)ので、自分が使用したいオリジナル・レイアウトのファイルを転送(同期:Sync)させる必要があります。
ここで注意が必要なのは
- レイアウトの同期は専用のTouchOSC Editorアプリで行う
- レイアウトの同期はWiFiネットワーク経由で行う
という点です。iTunesは使用しないのです。またUSBでの同期ではなくWiFiを使用します。
TouchOSC EditorはJavaで書かれたアプリで、開発元のサイトからダウンロードが可能です(無償)。
→ h e x l e r . n e t | TouchOSC
Mac OSX版、Windows版、Linux/other がダウンロード可能ですので、使用する環境に合わせてダウンロードをしてください。ここではMac OSX版を使用してiPhoneにレイアウトを転送する前提で解説を進めて行きます。
なお、TouchOSCおよび TouchOSC Editorは結構頻繁に仕様が変更になっており、以前のバージョンとの互換性が微妙に無かったりするので使用するバージョンと組み合わせには十分注意をする必要があります。なおここでは、
- TouchOSC v1.7.1
- TouchOSC Editor v1.5
を使用しています。
準備
- MacとiPhoneを同じWiFiネットワークに接続する。
- WiFiネットワーク以外の接続を切る(できれば)
- Macの有線LANを抜く
- iPhoneの機内モードをオンにする
- WiFiを再度オンにする
- Macのネットワーク名かIPアドレスを調べる
- ネットワーク名:システム環境設定>共有>コンピュータ名>編集..をクリックして表示される「ローカルホスト名( 〜 .local )」をメモ
- IPアドレス:システム環境設定>ネットワーク>(左の) AirMac を選択>状況:にある「IPアドレス」の数字をメモ
TouchOSCの同期(Sync)はWiFiを使用しますが、同期時はできるだけWiFi以外との接続をオフにして行ってください。オフにしなくても本来は問題ないはずなのですが、なぜか通信(同期)が上手くできない場合があります。その際はまずWiFi以外の通信を切ってみてください。
TouchOSCの通信設定は実は2つあります。
- OSC/MIDIの通信のための設定
- レイアウト同期のための通信設定
まずレイアウトを同期させる必要があるため 2. の方を先に設定します。
TouchOSCの初期設定画面です。接続設定(Connections)、レイアウト(Layout)、オプション設定(Options)等がありますが、 ConnectionsはOSC/MIDI関係の設定で、Layoutの名前(デフォルトではBeatmachine)をタップした先に同期の設定があります。
TouchOSCのLayout項目画面。登録済みのレイアウトの選択や追加(Add)ができます。同期の設定はこのAddの先にありますのでここをタップします。
Editor Hosts のリストは空なので Edit ボタンをタップします。
[ + ] ボタンを更にタップします。
< Hostname/IP Address > フィールドにMacのローカルホスト名かIPアドレスを入力し、Doneをタップして確定させます。(この例ではローカルホスト名の「MacBookPro.local」と入力)
これで、TouchOSC Editor と同期させるためのiPhone側の設定は完了です。このまま待機させ、Mac側の設定を行います。(閉じてしまった場合は設定画面で Layout名>Addでこの画面に戻ります)
Mac上で「TouchOSC Editor」を起動させます。
空のiPhoneレイアウト(Untitled 1)が立ち上がって来ます。新規にレイアウトを作成する場合ならば、このまま右クリックで各種パーツを配置したり編集したりしますが、今回は作成・配布済みのレイアウトを転送するだけですので書類を開きます。
左上のOpenボタンを押してファイル選び開きます。このファイルをiPhone側に転送するために同期待機状態に移行させます。
右上のSyncボタンを押すと「Sync with iPhone/iPod touch」ウインドウが開き同期待機状態になります。この状態のまま再びiPhoneに戻ります。
iPhone側が「Add Layout」画面で無い場合は、 設定画面で Layout名>Addでこの画面に戻ります。
Editor Hosts のリストで登録したMacのローカルホスト名かIPアドレス(ここでは MacBookPro.local)をタップするとダウンロードを開始します。
通常であれば同期は一瞬で終わりますが、iPhone - Mac 間の通信に問題があると時間がかかったり最終的にエラー表示が出たりします。この場合は何度かチャレンジしてみてダメな場合は、
- 各WiFi設定の確認、再接続操作
- WiFiルータの再起動
を試してみてください。それでもダメな場合で、Editor Hosts にローカルホスト名で登録をしている場合はIPアドレスで登録し直ししてみてください。
既にiPhone上に同じレイアウトファイル名が登録されている場合、同期をする前に上書きして良いかを尋ねて来ます。問題の無い場合は「OK」で上書きされます。
オリジナルレイアウト「dendoSwitcher110502」が登録された状態です。同期直後は自動的に選択(チェック)されているはずですが、選択されていない場合はチェックを入れてください。
次に、実際にアプリケーションとOSCの通信をさせるための設定を行います。
なお。これはdendoSwitcherの通信仕様の場合の設定例ですので、別のアプリの場合はそのアプリの設定仕様で読み替えてください。
設定画面のトップに戻り「Connections」の「OSC: Not configured」をタップします。
各パラメータを入力します。
- Host:同期時のローカルホスト名またはIPアドレスと同様に入力
- Port (outgoing):60118 を入力
- Port (incoming:60120 を入力
Local IP address はiPhoneのIPアドレスが自動的に表示されます。
次に不要な設定を切ります。
現時点(ver.beta110502)ではTouchOSCではMIDI関係は使用していませんので、念のため切っておきます。
- MIDI Mobilizer:Disabled にする
- CoreMIDI:Disabled にする
これらの項目はいじらなくて問題は無いはずですが、起動時等に余計な処理が入るため、切ってしまったほうが安全です。
最後にオプション関係を設定します。
Options をタップして以下の通り設定します。
- General
- Double-tap lock:OFF に設定(ダブルタップでロックする機能)
- Flip interface:OFF に設定(画面の上下を強制反転させる機能)
- OSC
- Stay connected:ON に設定(接続を維持する)
- Accelerometer:OFF に設定(加速度センサー機能)
- Send z messages:OFF に設定(Z軸情報を送る機能)
以上で全ての設定が完了です。
dendoSwicherのリモートをTouchOSCで行う場合は、dendoSwicher側でminiMasterモジュールとTelopモジュールを配置した状態(他のモジュールの状態は関係なし)でTouchOSCのレイアウトを起動させます。(Doneボタンを押す)
レイアウトの起動が遅い場合は通信が上手く行っていないか、ローカルホスト名の変換ができていない状態ですので、
- 各WiFi設定の確認、再接続操作
- WiFiルータの再起動
を試してみてください。それでもダメな場合で、Editor Hosts にローカルホスト名で登録をしている場合はIPアドレスで登録し直ししてみてください。IPアドレスで指定した場合は起動時のもたつきなどの不安定な動作は発生しないはずです。ただし、接続するルータや接続タイミングなどでIPアドレスは変化する可能性がありますので、その都度設定を調べて設定し直す必要が出て来ます。逆にIPアドレス指定をしていて通信ができない場合は、Mac iPhoneそれぞれのIPアドレスが変化してしまっていないか常に注意をしてください。
なお、TouchOSCとdendoSwicherの連動設定・トラブルシューティング・ネットワークの構築方法などについては、また別途解説する予定です。
2013年12月04日 1:13
[...] 1.Touch OSCの設定 参考サイト:「何も足さない、何も引かない:TouchOSCの初期設定方法」 2.Processingの「oscP5」ライブラリのインストール [...]