iRig Micを使い倒す
iPhone用の本格的コンデンサー・ハンドマイク「iRig Mic」。製品のコンセプト的には「iPhoneでDTM」なアプリ用の専用インターフェースで、先行した「iRig」がギター・ベース直結用だったのに対して、ボーカル・アコースティック楽器用のインターフェースという位置付けになります。
IK Multimedia » iRig Mic
http://www.minet.jp/ikmultimedia/irig-mic
このiRig MicはiPhoneのヘッドホンマイク端子(4極)に挿して使用する仕様なため、全てのマイク入力対応アプリでも使用することができます。つまり、
- iPhoneのUstreamやツイキャスでも使用することができまます。
実はiRig Micはマイクとしてかなりしっかりした製品だったりしますので、iPhoneでUstreamやツイキャスを「インタビュースタイル」で行う場合にはかなり有効なチョイスになります。また更に、最近販売中のMacは全機種がこの「iPhone用4極ヘッドホン・マイク」に対応しています。つまり、
- Mac用のマイクとしても使用することができまます。
マイク入力が付いていないAirなどでも、4極コネクタのマイクなら対応しています。
この記事の短縮URL→ http://bit.ly/iUJpgu
こうなるとMacを使ったDJスタイルの一人Ustのマイクや、Airを外に持ち出しての駅弁スタイルのUstなどでも、iRig Micがかなり便利に使えることになります。
こうなると色々周辺アクセサリも考えたくなって来ます。
まずは、ウインドスクリーン。iRig Micはメッシュメタルのウインドスクリーンが内蔵されたデザインですが、やはり野外に出すには役不足です。そこで、ウレタンタイプのウインドスクリーンを物色します。
この種の物としては定番のWindTech社のウインドスクリーンです。サイズ的には900シリーズがジャストフィット(300シリーズではキツキツで無理)しました。色は11色(黒赤青黄灰白茶ピンク紫緑橙) から選べます。私は地方なのでトモカ電気のONLINE SHOPで購入(670円)しましたが、秋葉原へ行ける方は直接行った方が速いでしょう。
WindTech 900シリーズ SM58他(41mm×54mm)
http://tomoca-shop.jp/shopdetail/036000000001/
これで多少の吹かれには対処できますが、本気で野外で使うならやはりマイクマフが欲しいところです。これはフェイクファーをマイクに被せたような(実際構造的にそんな感じ、ただし素材の音響特性とかはちゃんとコントロールされている)例のモコモコしたやつです。
こちらもWindTech社から各サイズが出ていて比較的入手が簡単です。上記の900シリーズのウレタンの上から被せて使うタイプが出ていますのでそれを購入してみました。ただしちょっと高いです(4,750円)。
WindTech MM-900 ウインドジャマー(900シリーズ用)
http://tomoca-shop.jp/shopdetail/036000000048
900シリーズのウレタン・ウインドスクリーンとセットで使用する必要があります。直接マイクに被せても使えなく無いですが、中に隙間ができると動かした際にガサゴソと不快なノイズを発する原因となります。また風防効果も落ちます。ただ、MM-900を被せているとウレタンにジャマーの裏の縫い目が食い込んで跡が残ります。これはカメラに写ると結構目立ちますので、ウレタンのみで使う可能性のある場合は、ウインドウジャマー専用にウレタン・ウインドスクリーンを余分に購入した方がよいかもしれません。
次にマイクの延長ケーブルについて検討してみましょう。手っ取り早い方法はエレコムなどから出ている4極コネクタの延長ケーブルを使用することでしょう。
ELECOM スマートフォン用ヘッドホン延長ケーブル 4極 L型 1m
ブラック MPA-EHPL10BK(813円)
http://www.amazon.co.jp/dp/B004FWEVAY
このタイプを使用するとヘッドホンも同時に延長することができます。
iRig MicはiPhone用、Mac用として使えますが、他の物には使えないのでしょう?実はiRig Micの4極コネクタは下のような構造になっており、ヘッドホン用の3pコネクタが付いた形になっています。
この両端をテスターで調べれば中の配線がどうなっているかは判るはずです。またちょっと考えればヘッドホン用のLRとマイク(プラグインパワー)、そして共用のアース(Ground)という構造で、かつステレオヘッドホンの端子配列と互換性があります。それほど難しいものでは無いでしょう。
このようにGroundが3p目(Ring2)で、Micは4p目(Sleeve)という若干いやらしいアサインになっていましたが特に問題なく変換はできそうです。
iRig Micの4極コネクタを3極タイプ(ステレオ入力対応タイプ)のコネクタに変換するケーブルを作成してみました。(マイク用ですのでシールドケーブルを使用)
iRig Micは当然モノラルですが、なぜ 3極タイプにするのかと言うと、ビデオカメラのマイク入力に適合させるためです。ビデオカメラは大抵の場合ステレオマイク入力ですので2極タイプだと左にしか音が入らなくなります。
こちらのケーブルで以下の機器のプラグインパワーのマイク入力で使用できました(ただし音量とかS/N比とか必ずしも良好とは言えませんが)。
- SONY HDR-CX550(AVCHDビデオカメラ)
- Audiotechnica AT-MX5P(ポータブルミキサー)
- Cerevo Livebox(UstreamエンコーダーBox)
特にLiveboxはMic入力があまり状態がよろしく無いようで、適正な音量と歪み(の無さ)を両立させるのがちょっと困難なようです。Line入力との組み合わせも実用上は困難な感じです。
CX-550は音量はかなり稼げますが、S/N比が妙に悪く感じます。
このように所定外の機器との組み合わせはそれなりに難しい面もあるのですが、3極(2極)化することで別の恩恵もあります。
これは作成したケーブルとは逆の働きをするアダプタです。このアダプタを使用することでiPhone/Macのヘッドホンマイク端子をヘッドホンとマイク端子に分離できます。
SteelSeries Mobile Device Adapter 50006
http://www.amazon.co.jp/dp/B00336FPYY/
これらのアダプタケーブルで挟むことで、間のマイクケーブルに汎用の3極(2極)タイプのマイク延長ケーブルを使用することができるようになります。
ソニー マイクロホン延長ケーブル3.0m EC-3KS2(3極)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00009VTB2/
ソニー マイクロホン延長ケーブル3.0m EC-3KM2(2極)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00009VTB3/
この延長ケーブルはマイク用のシールドケーブルですので、3m以上延長してもノイズが乗る可能性は低いです。 逆に通常売られているヘッドホン延長ケーブルを流用すると、全くシールドされていない物もあるので、酷いノイズが乗ってしまう場合があります。
ところでiRig Micにはゲインの切換えスイッチが付いています。
本体にあるスイッチはトークスイッチ(On/Off)ではなくゲインの切り換えスイッチです。アイコンの表示が直感的には逆のように感じてしまうのですが、握って手前の大きいアイコンの方にするとマイクのゲインは下がって音は小さくなります。逆に先端側の小さなアイコンの方にするとマイクのゲインは上がって音は大きくなります。ゲインを上げるとかなり音量が上がり小さな音も拾えるようになります。スイッチはほとんど出っ張っていないので誤操作の可能性はありませんが、逆に動かしにくいようです。
なお、付属のマイクホルダのスタンドネジは5/8″SHUREで、変換ネジで3/8″AKGに変換できます。
トモカ電気で各種ネジアダプタが売っていますのでいろいろ揃えておくと便利ですが、iRig Micの使われ方を考えると1/4″カメラ三脚ネジへの変換は用意しておいた方が良いでしょう。
TOMOCA 変換ネジアダプター
変換ネジ3:スタンド側1/4カメラ、ホルダー側5/8″SHURE
http://tomoca-shop.jp/shopdetail/001005000021/
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