開発中プロジェクト一覧
世の中はInterBEEの話題で盛り上がっている今日この頃ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
現在諸事情により滞っていますが、開発中または構想中のプロジェクトの一覧を作っておこうと思います。あと、バラバラだった名称も「denodoXxシリーズ(でんどーちょめちょめしりーず)(仮称)」で統一して行こうかと適当に割り振ってみました。
これらを製品化するとかそういう計画はまだ無いのですが、現時点で単なる妄想や紙の上だけのプランでなくある程度実働できている物を挙げてあります。 (妄想・構想レベルなら更にいろいろありますが、そういうネタは今回は温存しますw)
この記事の短縮URL→ http://bit.ly/rZeLc7
- dendoSwitcher
- 略称:dSw
- 概要:CamTwist ベース マルチカメラ・スイッチャーシステム
- 特長:モジュール間通信、iPhoneからの操作
- 状況:ベータ版公開中、試作モジュール多数開発済み
- dendoTelopper
- 略称:dTe
- 概要:dendoSwitcher 用マルチテロッパーモジュール
- 特長:高品質なテロップ、iPhoneからの操作
- 状況:ベータ版公開中、試作モジュール多数開発済み
- dendoEncbox
- 略称:dEb
- 概要:FMLE ベース高可用性エンコーダーBox
- 特長:電源オンで即配信、配信の自動復帰
- 状況:実働機4台稼働中
- dendoLivecam
- 略称:dLc
- 概要:Cerevo Livebox 一体型ワイヤレスカメラ
- 特長:完全スタンドアローンな配信機、長時間バッテリ駆動
- 状況:試作機1台稼働中
- dendoRouter
- 略称:dRt
- 概要:回線 Bonding モバイルルータ
- 特長:安価、最大8物理回線
- 状況:動作検証機2台試作中
- dendoCloudbace
- 略称:dCb
- 概要:dRtの接続終端VPSサービス
- 特長:VMWareイメージファイル
- 状況:調整中
- Ucastation (@stealthinu さん作)
- 略称:-
- 概要:マルチチャンネル・ナビゲーション
- 特長:配信者による多チャンネル配信間スイッチング
- 状況:調整中
以下はそれぞれについてのコメント。
dendoSwitcher : dSw(スイッチャ)
これは比較的おなじみの物だと思います。Mac単体でマルチカメラのスイッチングやテロップの挿入ができ、操作GUIにiPhoneを使用しているので配信者が出演しながら操作することも可能です。またあまり知られていませんが全てのカメラをデジタルズームとパン&ティルトするPTZ機能や、AULabのフェーダーリモート(mini Master公開版には未実装)による配信音声操作機能(iPhoneからのOSCをMIDIに変換し接続)などがあります。
しかし、導入のハードルが高い状態というか、ちゃんとした最新バージョンのパッケージも無い、マニュアルも不備な状態なので、現時点で稼働できている人はものすごくスキルが高い人ということになります。特に当初はコントローラがCamTwist内またはQuartzComposer上にある仕様だった物が、iPhoneベースになった以後ちゃんとしたマニュアルを書いていないという問題があります。また、モジュール物なので個々のモジュールの改良をどんどんやってしまったり、バグをつぶしたり、新しいOSとの調整をしたり、を無計画に並行して進めてしまっているのが原因ですので、一度時間を作って整理する必要を感じています。
dendoTelopper : dTe(テロップ)
これはdSw(スイッチャ)の一部ですが単体でも使えるので一応あげておきます。CamTwistの非常に高品質なテロッパモジュールとして最大20セットの文字列のテロップを切り替えることができます。mini masterモジュールと併用するとiPhoneからの操作もでき、iPhone側でテロップの内容を確認することもできます。テロップの切り替わりに見苦しいショック(ジャンプ)が出たり破綻しない機構が組み込まれています。
しかしこれも特にいろいろな派生モジュールの開発をやりすぎて、本体にフィードバックできていない典型になっています。一例としてテロップテキストの外部(クラウド)管理(100セット以上のテロップ)、スクロールテロップ(映画のエンドロール的な)、背景のマルチテクスチャー化、マルチエッジ(超極太エッジ)、Alphaチャンネルマスク合成などで風呂敷を広げ過ぎているので、どこか実用的な規模で一回Fixする必要を感じています。
dendoEncbox : dEb(エンコーダ)
これは既に美麻ロードレース関係でそれなりの実績がある機材です。今あるバージョンは中古のShuttle XPC X100をベースに組んだ物で、カメラとネットをつなぐと自動的に配信を(かなり強力に配信を復帰)維持する箱になっています。通常のPC+ソフトな配信環境では起動には絶対人の手の介在が必要ですし、途中でカメラ電源が落ちたりケーブルが抜けたり回線が切れたりすると配信は止まったきりになってしまいます。これに対してdEb(エンコーダ)ではこれらの障害要因が取り除かれると自動的に配信を再開しますので、配信状態を強力に維持することが可能となっています。
これはハードウェア製品であると同時にソフト・環境製品でもあるので、ターンキーとして実際の箱を作るという道の他に、作り方マニュアルとしてリリースする道が考えられます。ただ、IEEE1394ポートがある機材が最近は希少なので、小型に作る場合はかなりのノウハウが必要になります。また、現在はWindows XPベースでしか作っていないのですが、Windows 7ベースにした場合やMacベースの場合どうするかなどの情報の整理も必要でしょう。特にマシンを中古ベースでなく新造する場合は、Mac miniをベースにするのが一番安価でかつ小型にできたりします。しかもMacベースだとAACも標準で使用できますし、その気になればdendoSwitcherをVPN経由のリモート制御で動かすなどかなり無茶もできるのでMac版のリリースは急務だと思っています。
dendoLivecam : dLc(一体型カメラ)
これはCerevo Liveboxとビデオカメラをドッキングした物ですが、単に一体型にしただけでなく完全スタンドアローンで配信ができ、かつ高画質が維持できるように工夫されています。また小型化のためにケーブル類にも工夫があります。このセットならば回線が安定している限りはiPhoneなどとは次元の違った高品質の配信が可能です。
このように機材としては安定した物なのですが運用面でもうひとひねり必要な感じです。特に組み合わせる回線(モバイルルータ)や回線状態によって配信品質を追い込む必要があるのですが、あまり単純に設定すればいいものではないので、実際の配信品質を確認しながら調整を追い込む必要があります。これを現場でやるとPCレスな一体型カメラのメリットが半減してしまうので、何か良い運用方法を模索する必要がありそうです。
また、今は汎用金具を組み合わせてネジ止めで作成しているフレームをアルミ削り出し一体加工したら・・・などの話も出てはいるのでなんとか時間を作って挑戦してみたいものです。
とか言っているうちに「Livebox改」改め「Cerevo Live Shell」が発表になりました。ハード的にはLiveboxにHDMI入力を付けてギュッと小型化した様な機械ですが、本体の操作性およびクラウド側の機能が大幅アップになっているようです。何より、最近のカメラを使用して高画質な入力を得ることができるため可能性は非常に高い物となっています。
さっそく2台ほど入手しましてHDVカメラの名機Canon iVIS HV20と組み合わせてテストを開始しています。今のとこと何のヒネリも改造も無い素の状態なので特別な名前は有りませんが、増設電源やらモバイルルータやらも一体型にできるような小型のセットを開発したいと思っています。
dendoRouter : dRt(回線束ねルータ)
これはまだほとんど表に出したことのない物で、Tweet上でちらっと触れる程度しか情報を流していない「謎の装置」かと思います。見た目などは既にTwitpicに上げてありますが、一昔前の標準的なBBルータ程度の大きさになります。現時点では出先とセンター側で2台を対向で使用して複数のEthernet接続を1本に束ねることが可能な回線Bondingルータとなっています。
仕様上は5Vの単一電源で動くのでバッテリ駆動も可能です。ただ、まだいろいろな意味でフィールドに出して運用するようなレベルでは無いです。センター側にも装置が必要なのはこの種の装置としては標準的な仕様ですが、将来的にはセンター側はVPS化したdCb(接続終端サービス)に置き換える計画です。また現時点では国内キャリアのUSB接続のモバイル・モデムをダイレクトに接続するドライバが無いので、そこをどこかから持ってくる必要があります。なお、今はEthernet接続のできるモバイルルータを複数使用して実験を行っています。
dendoCloudbace : dCb(接続終端VPSサービス)
これも初出になると思いますが、前出のdRt(回線束ねルータ)のセンター側の終端をVPS上に移殖した物になります(※画像はイメージです)。センター側は特殊なモデムドライバとかは不要ですので、実マシンでも仮想マシンでも設定をするだけでいつでも動かせるので、単純なVPS化はそんなに難しい話ではないのですが、原理上複数のIPアドレスが必須になるので、単価を下げるためには複数のグループを並行して終端できるようにする必要があります。これをどのような手法で実現するかについては現在検討中です。
dRtやdCbは回線事情の厳しい地方での配信で必要に迫られて開発しているのですが、高いお金を出せばちゃんとした装置やサービスは今でも存在しています。ただ、運用も含めて本当に高額なものなのでUstreamなどのライブ配信で簡単に利用できるような代物ではありません。これを個人でも利用できるようなコストにまで下げることができるかが今後の課題になっています。
以上が今、一応形がある物達ということになりますが、何しろ今は全く時間が無い状態になってしまっているため、一番の課題は開発に注力できる時間を確保するなど根本的な環境を整えることが必要となっています。これには多少時間(年内いっぱいぐらい?)がかかりそうですので、今回リストアップした物がきちんとした形でリリースできるようになるには今しばらくお持ちいただくことが必要になりそうです。
Ucastation: (マルチチャンネル・ナビゲーション)
また、当方の開発では無いのですが美麻ロードレースの配信でお世話になっている @stealthinu さんが開発されている「Ucastation」も今後重要な役割を果たして行くと思っています。「Ucastation」は、Ustreamでチャンネルをリアルタイム切り替え出来るWebサービスです。同様の物はUstream公式のマルチビュー機能がありますが、一番の違いは「配信チャンネルを切り替えるのは『配信者』である」という点です。配信者側の意図で視聴者全員を自由にチャンネルナビゲーション(多チャンネル配信チャンネル間スイッチング)できると言う、マルチチャンネル配信の新しい視聴環境の提案です。さらにUstreamだけでなくニコニコ動画やニコ生、Youtubeなども制御可能なのでいろいろな応用が考えられます。
ということで2012年も 「denodoXxシリーズ(でんどーちょめちょめしりーず)(仮称)」をよろしくお願い致します。(もう年末の挨拶か!)
2011年12月23日 15:33
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