Livebox一体型カメラ

以前から画策していた完全一体型のUstreamカメラが完成しました。基本的にこれ一台で独立してUstreamの高画質16:9ワイド配信が可能となっています。

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(この記事の短縮URL→ http://bit.ly/htQ5G5 )
当初はEPIC仕様のマザーボードでCore2Duoマシンを作ろうとしていたのですが、Cerevoさんから単体でUstream配信を可能にするCerevo Liveboxが発売になり、即座に導入を決めました。

以後Liveboxとビデオカメラ(iVIS HV20) を一体型にするフレームの工作に集中し、11月のえびす講花火大会で使用しましたが、12月にLiveboxが16:9化され、コンポジットでしか出せないHV20の画質に不満を感じるようになって来たため、というかHV20 –DV–>PC5–S端子–>Liveboxと繋いでテストした結果があまりにきれいだったのでS端子接続は必須という結論に至り、別のカメラ候補を探すこととなりました。

カメラ候補の条件としては

  1. S端子出力があること
  2. 16:9撮影に最適化されていること
  3. できればHD撮影ができること
  4. 小型なこと
  5. 外部マイクが使用できること
  6. ヘッドホンモニターが使用できること
  7. 高画質・高感度なこと
  8. 手ブレ防止機能が強力なこと

実はこの条件だと1.と2.3.の時点でSONY以外は外れてしまいます。特に最も重要な1. のS端子は最近のHD化されたカメラではことごとく付いていません。HDに対応する都合でD端子(コンポーネント)がメインでNTSCはコンポジットのみというのが最近の主流のようです。

このため古い機種で探すかDVまで戻るかしないといけないのですが、HDVだとやはりS端子が無い場合が多いですし、DVだと今度はカメラの基本性能が問題になって来ます。

解像度的にはもちろんDVでも十分ですが数年前のカメラだと今の物と比べると見劣りがしますし、基本的に4:3な仕様なので16:9で出力すると画質が劣化してしまう物がほとんどです。試しに手元のDCR-PC5やDCR-TRV9o0をLiveboxに繋いでみると非常に残念な画像しか得られませんでした。

結局、現行品のカメラで適切な機種を選ぶこととしましたが、この時点で候補は既に2機種になっていました。

  • HDR-CX370V
  • HDR-CX550V

どちらもSONYのAVCHD機ですが、実はこの2機種はほぼ同様の仕様で、撮った物を見ても見分けが付かないとまで言われています。そう考えると圧倒的に安くて小型なCX370Vが良さげなのですが、

  • 「CX370Vは外部マイクがつながらない」
  • 「CX370Vはヘッドホンがつながらない」

と言う点が決定打となってCX550Vを導入することと決定しました。
また、Bluetoothワイヤレスマイク ECM-HW2(ハンディカム専用)を使用した時、内蔵マイクとBTマイクをミックスする機能がCX550Vにしか無い点も選択理由となりました。

最終的にカメラ部は以下のラインナップとなりました。

  • HDR-CX550V:AVCHDカメラ(メモリータイプ)
  • VCL-HGA07B:ワイドコンバージョンレンズ
  • ECM-HW2: Bluetoothワイヤレスマイク
  • VMC-15FS:S端子付きAVケーブル
  • NP-FV100:互換バッテリ

このカメラとLiveboxをDIYショップで調達した金具を組み合わせたフレームにネジ止めします。

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また、回線は本体はWiFiアダプターにしWiMAXまたはdocomoのモバイルルータをクランプできるような構造にしてあります。このクランプ部分は、

  • エツミ止ネジ長 E-522
  • エツミ止ネジ(オス・オス)E-6085
  • 上海問屋三脚固定ホルダー DN-100CC
  • ゴムワッシャ
  • 6mm-22mmワッシャ

を組み合わせてLiveboxの固定と同時にルータの固定を行っています。クランプの角度調整は挟むワッシャの数で調整することができます。使用するルータはWiMAXがAtermWM3300R、docomoがNEC N-04B(アクセスポイントモード)のどちらかですが、大抵のルータはクランプ可能(WM3500Rとかも)です。

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本体の左側には予備バッテリーとしてWintopのWTED10350Aをマジックテープで固定してあります。WTED10350Aは5,000mAhの容量のUSB出力のバッテリーで、2系統のUSBポートに1.0A+0.5Aの給電が可能です。状況によってルータ・Livebox・iPhoneの補助電源として使用できますが、通常はルータ(MicroUSBまたはFOMAコネクタ)とLivebox(EIAJ#2型)に配線しています。もちろん緊急時にはiPhoneに充電を行うこともできます。

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カメラの左側には折りたたみ可能なiPhone用クランプがあります。長さや角度を調整してカメラの液晶モニタの上辺りにiPhoneを固定することができます。(剛性はないのでiPhoneがふらつかないように液晶モニタの上にiPhoneが乗るような位置に調整します)

このiPhoneは主にTL確認用(Liveboxの設定やリモコンにも使用可能)で、UstreamのTLフレームのURL(http://www.ustream.tv/socialstream/[チャンネルID]) を表示させています。

http://www.ustream.tv/socialstream/6121005

このURLはAPIをたたいて[チャンネル名] から [チャンネルID] を求めていますが、プログラムを作るのも面倒なのでGoogleドキュメントで代用しています。

[チャンネル名] が [dendo-livebox] の場合だと

http://api.ustream.tv/xml/channel/dendo-livebox/getValueOf/id

を引くと

<xml>
<results>6121005</results>
<msg></msg>
<error></error>
<processTime>TRUE</processTime>
<version>mashery-r10</version>
</xml>

というXMLが帰って来ます。この <results>が [チャンネルID] です。また、

http://api.ustream.tv/xml/channel/dendo-livebox/getValueOf/title

を引くと

<xml>
<results>Cerevo livebox でLive!</results>
<msg></msg>
<error></error>
<processTime>TRUE</processTime>
<version>mashery-r10</version>
</xml>

というXMLが帰って来ます。この <results>が [タイトル] です。

この程度なのでPerlなどで組んでWebページで検索できるようにすると便利なのかもしれません。GoogleドキュメントではImportXMLコマンドで直接 <results>を取り出せるのですが、”_”(アンダースコア)や日本語が入ったチャンネル名だとエラーで止まってしまいます。

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なお、フレームの底面プレートには1/4インチUNCのネジが2カ所切ってあり、直接三脚に取り付けることができます。また、転倒防止のアンカーが左右に開くようになっています。

このカメラを使用した配信は専用チャンネル
http://www.ustream.tv/channel/dendo-livebox
http://ustre.am/pGlT

で見ることができます。(アーカイブもいくつかあります)

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“Livebox一体型カメラ”への トラックバック ( 1 )

  1. IGAのつぶやき(2011-02-28) | IGALOG-RRRさんの トラックバック

    [...] Posted 何も足さない、何も引かない : Livebox一体型カメラ. [...]

“Livebox一体型カメラ”への コメント ( 4 )

  1. gok_hさんの コメント

    dendoさん、こんにちは。
    配信機材とても参考になりました。

    最後のUstreamへのリンクのところが、ちょっとアドレスが間違っているようです。他のページに行ってしまいます。
    どうぞご確認下さい〜。

  2. meteorさんの コメント

    @gok_hさん、コメントありがとうございます。
    今年も配信ハード系記事と配信ソフト系記事の2本立てで書いていきますのよろしくおねがいします。

    リンクの間違い修正しました。

  3. @orukat24さんの コメント

    はじめまして。初歩的な質問で済みませんが、カメラにS端子を要求するのはなぜでしょうか? 写真を見る限りコンポジットの映像ピン端子も接続されているようですが……。
    ピント外れの質問でしたら済みません。手元のHDVカメラ(S端子なし……というか要別売りOP)でも同様のことをしたいと思ったものですから。

  4. meteorさんの コメント

    @orukat24さん、コメントありがとうございます。
    S端子にこだわるのは、圧倒的に画質が違うからです。絵柄によっては目立ちませんが、細かい画像の部分では偽のカラー信号が発生するため、非常に見にくい画像になるとともに動画圧縮の際の効率も著しく悪くなります。可能な限りコンポジット接続は避けるべきです。

    受ける機器によっては三次元くし形フィルタが入っていたりしてほとんど目立たないのですが、最近の製品は逆に簡略化されていてY/C分離の精度は悪いです。Liveboxも間違いなくS端子入力が有利な機種になります。

    コンポジットの黄色も繋いでいるのは、コネクタを刺さないで放置してどこかに当たって異音を出たりしない対策です。両方刺した場合はS端子側が優先されます。

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